下肢静脈瘤の症例

2017.08.18

YAGレーザーによる毛細血管拡張症(くもの巣状静脈瘤、網目状静脈瘤)の治療

症例2. 40代女性 17-18年前から、下肢の静脈が目立ち始めました。ここ数年特に目立ってきた。出産後から目立ってきた。時々重くだるくなるし、水泳していると、「それどうしたの?」と言われるので、見た目も気になってきた。6年前に、硬化療法をしています。硬化療法が術後の圧迫や弾性包帯にてかぶれたので硬化療法は、あまり気がすすまない。とのことで、当院へ受診となりました。

超音波検査;明らかな伏在静脈、深部静脈、交通枝に血流の逆流は、見られず、弁機能不全は見られませんでした。

初診時所見;両側下肢に毛細血管拡張あり、全体に広がっている。くもの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤が混在しています。

治療方針;伏在静脈瘤もなく、毛細血管拡張のみであり弾力性ストッキングで保存的に経過みるのも一つの治療と説明しました。硬化療法は、術後の炎症後色素沈着が長期間(3ヶ月から半年)つづくことなど気になり、硬化療法は希望しないとのことでしたので経過観察としました。後日、美容皮膚科へ紹介しYAGレーザーの治療をする方針になりました。(この時、混合診療にならないように対応が必要でした。)

レーザー治療前

 

治療方針;くもの巣状静脈瘤(赤い毛細血管)と、網目状静脈瘤(青い血管)が目立っており、青い血管にも反応するYAGレーザー(保険外治療)にて照射する方が少ない回数で治療効果が期待できると考え、YAGレーザーを選択しました。赤い血管だけであれば、皮膚色素レーザー(Vbeam)が保険治療で照射できますが、青い血管もあり、保険治療は、3ヶ月に一度の治療であり、回数もかかるため、この患者さんには、不向きでしたので、YAGレーザーを使用して行くことが良いと判断しました。

YAGレーザー治療直後;血管に沿って、YAGレーザーを照射したところは、かなり腫脹(ミミズ腫れ)している。反応は良好でした。

術後1ヶ月半経過の写真です。かなり血管も退縮しております。一回でこれだけ効果は、かなり満足度も高い処置と言えます。色素沈着もなく経過良好でした。

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